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CAOを直撃!どうして「働きやすさ」に力を入れるの?

アルテリアグループでは、多くの社員が勤務時間や働く場所を自分で選択し、家庭やプライベートの時間を大切にしながら働いています。コアタイムのないスーパーフレックスタイムにテレワーク、サテライトオフィスの設置と、アルテリアグループが働き方の自由度を高めるさまざまな制度や施策を積極的に取り入れるのはなぜでしょう。常務執行役員でCAO(Chief Administrative Officer)の中村孝裕さんに、「働きやすい環境づくり」に込めた思いを聞きました。

アルテリア・ネットワークス 中村孝裕さん
2019年よりCAOに就任。好きな食べ物は刺身、肉、麺類。嫌いな食べ物は練り製品と魚卵、乾燥果物。カラオケと一時の夢想・妄想でストレス解消、月曜日は『呪術廻戦』を読むのがお決まり。趣味は硬式野球(元高校球児)、スキューバダイビング(レスキューライセンス保有)に加え、クワガタ飼育は採集から産卵~羽化まで手掛ける本格派!  ちなみにムカデやクモなどの多足類(8本足以上)は苦手だそうです。

柔軟な働き方を加速させた新型コロナウイルス感染拡大

――アルテリアグループでは柔軟な働き方に対応できるよう、さまざまな制度を用意しています。いつ頃から働きやすい環境づくりに力を入れ始めたのでしょうか。

働きやすさの追求は、私がCAOに着任する前から人事本部を中心に早い段階から取り組んでいたんです。ホームオフィス(テレワーク)制度も、新型コロナウイルス感染拡大以前より、特別な理由がなくても毎月10日を上限に認めていましたし(コロナ禍では利用上限を撤廃)。しかし当時多くの会社がそうであったように、当社も積極的な利用に至ってはいませんでした。

 近年の動きを振り返ると、働き方の見直しを図る機会は大きく2回ありました。ひとつは東京オリンピックです。開幕を翌年(実際は2021年に開催)に控えていた2019年、国や東京都が中心となってテレワーク推進を図ったのを覚えているでしょうか。五輪本番中の海外からの来訪客や輸送需要の増加から交通の大混雑が予想されることを背景に、都市部に拠点を置く企業を中心に働き方改革の必要に迫られました。

新橋や大手町に本社を構えるアルテリアグループも例外ではありませんでした。当時、経営会議でも議論が交わされましたが、いざ在宅勤務をするとなると、「パソコン稼働数で200台程度の整備が限界だ」という結論になったのを覚えています。その頃のアルテリアグループは1000人超の従業員がいましたから、十分な対応とはいえません。組織全体に「仕事は職場でするもの」という暗黙の了解や習慣があり、在宅勤務は特別な事情がない限りあり得ないものでした。

――確かに。オンライン会議も当たり前ではなかったですね。となると、やっぱり新型コロナの影響が大きかったのでしょうか?

2020年の緊急事態宣言の発令は、潮目が変わる2つめのタイミングでした。このときに改めて浮き彫りになったのは、私たちの仕事は人々の生活を支えるインフラ事業であること。国内の学校が一斉休校になり、多くの会社では在宅勤務を取り入れました。オンライン授業やWeb会議、ビジネスチャットも、通信ネットワーク基盤があってこそできることです。

すなわち私たちの提供するサービスが機能しなくなると、世の中の活動はたちまちストップしてしまう。当時、医療機関やスーパーなど、新型コロナの感染リスクの高い条件下においても人々の生活に欠かせない分野で昼夜を問わず働く人たちを「エッセンシャルワーカー」と呼んでいましたが、社内では「アルテリアグループはエッセンシャルカンパニーだね。我々の有する通信網は絶対に止められないよね。」と話していました。

コロナ禍において社員の健康が一番なのはもちろんです。一方で通信サービスを24時間365日安定的に提供し、人と人が“つながる”社会を維持することも同様に求められており、そのためには組織として感染リスクをできる限りゼロに近づける、要はほぼすべての社員が在宅勤務できる環境を作り上げるのが急務でした。

このときの社内の団結力には、目を見張るものがありました。特にIT部門、購買部門、更に総務部を中心とした皆さんが力を尽くし、ほんの数カ月で全社規模のテレワーク環境を整えることができたからです。前年に「200台が限界」なんて言っていたのが嘘のようでした。

また関連して、新型コロナワクチンの職域接種も、本社に特設会場を設けて行いました。このときは人事本部がわずか一か月で運用を構築し、会場の運営にあたってくれました。職域接種は3回行い、従業員とそのご家族の皆さんに延べで約3,000人の方が接種しました。

関係者の皆さんには本当に感謝しています。

違いを認め合う風土は社員の幸せと価値創出のため

――現在ではホームオフィスに限らず、コロナ禍前に比べて柔軟な働き方が定着したように感じます。

アルテリアグループでは、他にも働き方に関する制度の拡充を図ってきました。スーパーフレックス制度は、1カ月当たりの総労働時間と出勤日数だけが決まっていて、毎日の勤務時間を自身で小刻みに調整できるものです。

子育て中の社員等を対象にした短時間勤務制度も設けていますが、スーパーフレックスを活用してフルタイムで働く社員もたくさんいます。働くときは仕事に集中し、お子さんの急な体調不良や学校行事、介護や資格取得の勉強にも対応する。タイムマネジメントの上手な社員が多いですね。

またサテライトオフィスの設置も推進してきました。今は横浜、練馬、本八幡、高津(武蔵溝の口)の4カ所で、いずれも近郊で暮らす社員に好評です。サテライトオフィスの設置にあたっては挙手でプロジェクトメンバーを募り、地域性を生かしたコンセプトづくりなど社員の声を反映しています。おかげさまでスタイリッシュなオフィスにでき上がっています。

それから自由が丘にも、e-Sportsスタジオを開設しました。事業目的の施設ですが、社内レクリエーションにも利用し、今春はグループのゲームフェスを同拠点から実況しました。いずれも当社で保有する施設の空きスペースを活用しており、月額コストは殆ど増加していないんです。

――新型コロナが一段落して、企業の中にはリモートワークを取りやめ、以前のように出社を積極的に促すところも増えています。けれどもアルテリアグループでは、そうした対応をほとんどとっていませんね。

社員の判断のもとで柔軟に働ける仕組みのほうが、利便性が高くてパフォーマンスを発揮しやすいと考えているからです。端的に言えば、効率的で生産性が高いのです。コロナ禍前はホームオフィス制度の導入効果に懐疑的だった人も含めて、仕事に応じて働く場や時間を変えられるほうが、通勤などの移動負荷が少なく快適に働けることに気づいたといえます。

もちろん対面で向き合い、リアルなコミュニケーションを図ることも重要ですし(現在は在宅勤務の利用上限日数を原則、月あたり10日に戻しています)、通信機器の設置現場に終日赴く社員の方々の苦労に寄り添う気持ちを持つことも大切です。組織や自身の業務特性を踏まえて、オンラインとオフライン、これをいかにベストミックスさせていくかを我々一人ひとりが追求していくことで、最大の効果が発揮できると考えています。

働き方の多様さは、価値観の違いを認め合うことに直結します。アルテリアグループにとって、重要なテーマです。理由は2つあります。ひとつは、アルテリアグループで働く一人ひとりの幸せを考えたとき、仕事とプライベートいずれかを犠牲にする関係は望ましいとはいえません。たとえば介護や子育て、資格の取得や趣味の追求も大切にしながら、仕事でも持ち味を発揮する。ライフステージが変化しても、誰もが継続的に活躍できる制度や風土が整っていることは、エンゲージメント(会社への愛着、やりがい)の向上につながります。

もうひとつはネットワークインフラの提供を担う立場として、私たちは社会の多様なニーズに応えていく必要があります。それにはまず、私たち自身が多様性を有している、そしてこれを尊重していることが肝心です。働き方に暮らし方、文化や性別、価値観など、あらゆる違いへのリスペクトがサービス開発や運用のヒントにもなり得ます。

アルテリアグループのレゾンデートル(存在意義)は現代社会・生活を支えるのに不可欠な通信サービス・事業の安定・継続提供にあり、これをしっかり行うことが社員の幸福・やりがい、ひいては社会貢献につながると信じています。アルテリアグループの事業が社会にとって有意義でありSDGsの理念にかなうものであること、この点について何よりもグループ社員の皆さんに共感いただいて、自発的に推進してもらうことが必要であり重視しているところです。

私たちは2022年に「サステナビリティ基本計画」を公表しました。同計画に沿ってグループの全社員が精力的かつ自発的に活動しています。特に若手の皆さんは社会貢献や地球環境への配慮、SDGsに対する関心が高いですから、サステナブルな風土をボトムアップするうえで非常に期待しています。

これからもアルテリアグループが社会にその価値を届け続けるために、社員の多様性向上と企業としての持続可能性を意識した制度設計・運用が問われています。

理想はいざというとき一枚岩になれる個が引き立つ組織

――働き方に対する考え方は、世代や性別によるギャップもあると思います。アルテリアグループとしてどのように捉えていますか。

おっしゃる通りですね。けれども個々が自分に合った働き方を選択する中で、“違い”を乗り越え受け入れていくことが大事だと、多くの社員が感じ始めている気がします。互いの違いを理解し尊重する風土の醸成には、自分で考えて判断すること、そしてグループとしての試行錯誤を積み重ねていくことが大事です。

前述の「サステナビリティ基本計画」の策定時はグループ全社員がその検討に加わり、まさに各々の価値観や考え方の違いが浮き彫りになりました。これらを否定せずむしろさまざまな想いがあるのはごく自然なものと捉え、最大限受け入れる形で生まれたのがこの計画です。

アルテリアグループでは2019年より、Self-Biz(セルフビズ)を導入しました。ドレスコードを撤廃し、その日の仕事に合わせて自分で服装を選ぶ施策です。それまでスーツが制服のようになっていたところもあって、開始当初は試行錯誤の日々でした。

私なんか、「これからリゾート地へ旅行ですか?」と仲間から言われた記憶もあります。(笑)でもそうした失敗も経験したうえで、それぞれが“その人らしい”スタイルを見出しているのではないでしょうか。そして周囲がこれを受け入れることで新しい“居場所”が社内でつくられ、何かが生まれる土壌になってくれればいいなと思っています。

Self-Biz を導入して半年後の中村さん。装いも落ち着いてきました?@新橋本社役員会議室

――働き方だけに限らず、さまざまなアプローチで多様性を図っているのですね。

組織の理想を言えば、普段は個が立っていて、それぞれがプロフェッショナルとして活躍する中で、いざというときに一枚岩になれる関係です。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でも荒くれ者の坂東武者たちが、有事のときには一致団結する様子が印象的でしたが、まさにあんな感じで。先に述べた緊急事態宣言のときのホームオフィス環境の構築時は、部門を越えて文字通り“一枚岩”になった例といえます。

しかしまだまだ道半ばです。自分と異なる価値観や考えを認める、多様性を互いに認め合うにはまず、自身に物理的、心理的なゆとりがなければ難しいものです。投下できるリソースには限りがありますが、グループ社員の皆さんが安心・快適に働けることができるよう、これからもハードとソフトの両面で制度の充実を図っていきたいと考えています。

例を挙げるとソフト面では65歳までの定年延長制度の導入、直近では物価高騰への備えの一助として特別支援手当の支給も始めました。

―最後に読者に向けて、メッセージをお願いいたします。

アルテリアグループは複数の会社が合併や事業統合を重ねながら発展してきた背景から、多様なカルチャーがミックスした土壌が備わっています。現在のグループの体制になって早10年、そして上場して5年、この間、いろんなことがありましたし、みんなが歯を食いしばって頑張ってきました。組織としてのレジリエンスが、しっかりと醸成されているように思います。これからますます楽しみなグループになりますし、なっていけるようにしたいという思いです。

そしてアルテリアグループは、多様性を歓迎します。新卒入社でも中途入社でも自身のルーツに関係なく受け入れる雰囲気は、アルテリアグループならではと感じます。社長をはじめとする経営層に対して若手の皆さんが直接プレゼンできる機会もごく普通にあります。これから仲間になる皆さんとも、一つひとつの出会いを通じて新たな価値観に触れ合い、互いを尊重し合いながら、共に働きやすい組織文化を一緒に築いていけることに、私自身とてもワクワクしています!

※この記事は2023年8月時点の内容です。

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