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グループ最大の資産である「人」を活かすDX推進本部の取り組み

インターネットの普及やテクノロジーの発展により、ビジネス環境の急速なパラダイムシフトが進んでいます。変化に対応していくため、レガシーな方法論や価値観を見直し、DXによるサービスの高度化、業務の効率化に取り組む企業も増えました。アルテリアグループでも、2021年から同グループが従来から有する事業基盤とDXを組み合わせた「DXサービス」の提供を通じて、顧客の新たな価値創出をサポートしています。

それと同時に着々と進めてきたのが、社内のDXです。アルテリア・ネットワークスのDX推進本部で本部長を務める足立幸憲さんが定義する社内DXは、「人がやるべきこと、人にしかできないことに注力できる環境づくり」です。足立さんは、これまでのキャリアを通じて得た知見と学びを惜しみなく投入して、最前線の仲間を支える仕組みづくりを牽引しています。
そこで今回は、DX推進本部の取り組みと、その先にある未来のアルテリアグループの姿について、足立さんに話を聞きました。

DX推進本部 本部長 足立幸憲さん
2010年、アルテリア・ネットワークスの前身となる通信事業会社、株式会社ヴェクタントに入社。以来、業務と並行してIPA/ネットワークスペシャリスト、PMI/PMP、ISC²/ CISSPなど、さまざまな資格を取得。立場に甘んじることなくチャレンジを続け、新たな分野への本気度を示して、メンバーとの信頼関係を築いてきた。現在もセキュリティ領域の資格取得に向けて勉強中。目標をクリアするコツは「学習コストから学び始める時期と1日の学習時間を逆算し、コツコツ継続すること」。

「人にしかできない仕事」に集中できる環境を提供したい

――2020年から、社内OSS推進という形でDXを進めてきたと伺いました。まずは、取り組みを始めたきっかけからお聞かせください。

当社は、これまでインターネットの普及と社会環境の変化に応じて合併を重ね、独立系のリーディングカンパニーとして事業基盤を強化・拡大してきました。
私自身、最初に入社したヴェクタントがグローバルアクセスと合併して丸紅アクセスソリューションズになり、さらにUCOMと合併してアルテリア・ネットワークスになる進化の過程とともにキャリアを歩んできた一人です。

スピード感のある合併は、大きなシナジー効果をすみやかにもたらす一方、システムの乱立を招きます。それまでの会社やサービスごとに使われていたシステムを統合する時間的な余裕もなく、合併後もそれぞれが従来のシステムを使い続けるといった状況に陥っていました。

そのような複雑なシステム環境において、社内のデリバリーチームやオペレーションチームなどが煩雑な登録作業に貴重な時間を奪われているのを見て、人がやるべきこと、人にしかできないことに集中できる環境を作り上げたいと思うようになりました。OSSはオペレーションサポートシステムの略で、アルテリアグループの社員が使う業務支援システムやツールという位置付けです。社内OSSを推進すべく、DX事業本部としてこれに本格的に取り組むようになりました。

――DXありきではなく、いっしょに働く仲間への思いが起点になっているのがいいですね。

私以外にも、システムの状況に危機感を覚えている同僚は多かったと思います。長期運用する中でブラックボックス化すれば、システム障害が発生してもすみやかに対応できず業務が停滞することや、部分最適を繰り返してシステムがより複雑化することもありえます。そもそも、データ化やシステム管理されていないデータが存在していることも問題でした。また、システムが連携していないと手作業が増える、作業時間が延びるなどして、本業に割ける時間が短くなりますし、データ化されていない情報は一元管理できないため、付加価値を生み出しにくくなります。
そのため、社内に存在する有益な情報を価値あるデータにすること、データを使う人の手作業をシステム化して本来やるべきことに注力できるようにすること、この2点がDX推進本部の取り組みの軸です。

人とのつながりの築き方を含めて、すべての経験が今に生きている

――デジタル技術に関する知見、自社ビジネスの知識、さまざまな人にDXの意義を伝えて取り組みを推進していくコミュニケーション能力など、DX推進には多様なスキルが求められそうですね。

そうですね。そういう意味でも、これまでのキャリアで培った経験や知識が非常に役立っていると感じます。
私は、前身のヴェクタントにネットワークソリューションエンジニアの部長職として入社し、お客様への提案から運用継続までの部分について営業の皆さんを支援していました。大型案件等で組成されるプロジェクトにも積極的に参加していましたから、職種を超えてさまざまな現場の皆さんの仕事や、そのボトルネックとなっている部分を見る機会は多かったと思います。

丸紅アクセスソリューションズとUCOMの合併時には、バックボーンネットワーク組織のマネジメント担当として、複数の通信キャリア出身のエンジニアを統率し、統合プロジェクトを進めました。

――文化も制度も理念も違う中で働いていた人たちをまとめるのには、苦労があったのではないですか?

皆さん、いろいろな想いを持っていますしね。あちらを立てればこちらが立たぬで、悩みながらも立ち止まらずにどんどん判断をしていかなければならない苦しみがありました。

ただ、私は転勤族の親のもとで育ったので、新しい仲間と関係を築くことに関しては、比較的経験値が高いほうだと思います。新しい仲間が何を考えているのか、何を求めているのか、相手の気持ちを感じ取りながら進めていく力は、その頃に培われたような気がしますね。
今も、一人ひとりの得意領域を理解し、それぞれが力を発揮できる環境を作ることを心掛けています。お互いに強みを活かし合えるチームができ、各メンバーが実力以上の力を発揮してくれたときの喜びはひとしおです。私が最も得意なのは、人と人をつなぐことによってチーム力を上げることなのかもしれません。

所属するCDO(Chief Digital Officer)部門の社員が、新しい知識やスキルを学ぶためのリスキリングを円滑に行えるよう7月下旬から8月上旬にかけて勉強会&交流会を開催。アルテリアが自前で運営する各サテライトオフィスを利用し、オンサイトで実施することで、単なる勉強会にとどまらず、社員同士の交流にもつながるよう企画した。

――足立さんは、セキュリティエンジニアとしても活躍されていますね。

時代とともに、セキュリティのトレンドは大きく変化しています。
以前は、オンプレミス型でオフィス内に閉じたネットワークが一般的でしたから、セキュリティ対策も内部に目を向けるだけで済みました。しかし、常時インターネットにつながった状態で仕事をするのが当たり前になり、社外からでも気軽に重要なデータにアクセスできるクラウドサービスが台頭した現代において、従来のセキュリティ対策だけでは不十分な状況になっています。

ネットワークの専門家として、マルウェア感染をはじめとした最新のセキュリティリスクについても知っておく必要があると考えて、これに軸足を置いて取り組むことにしたのです。言うまでもなく、社内DXにおいてもセキュリティは非常に重要で、早めに着手して良かったと感じています。

DXによる業務の最適化で、グループにより良い未来をもたらしたい

――キャリアの中でさまざまな資格に挑戦している理由を教えてください。

私にとって資格は、チームの仲間として認めてもらうための入場チケットのようなものだと考えています。新しい領域に進むたびに、学習コストをかけるに足る資格取得にチャレンジし、その過程をメンバーに共有することで本気度を示してきました。

そういう意味では、どの資格も、私という人間を信用してもらう上で、とても役に立っています。私自身がチャレンジし続ける姿を見せることが、メンバーの学ぶ動機付けになっていればうれしいですね。

――最後に、DX推進について今後の展望を聞かせていただけますか?

現場の人は、慣れた業務のやり方を変えるのに、少なからず抵抗を感じるものです。社内のDX推進が直接的にお客様に価値を提供するわけではないので、なおさらですよね。

しかし、遠回りではあっても今、DXに取り組むことがアルテリアグループの未来を良くするのは確かです。データが一気通貫でつながり、利用できるようになれば、必ず業務が効率化できること、本質的な仕事に注力してお客様により良いサービスを提供できることを丁寧に説明して、現場の協力を求めていきたいですね。

アルテリアグループの強みは、参入障壁の高い通信インフラという「もの」と、それに精通した「人」にあります。お客様のために真摯に仕事するメンバーが十分に能力を発揮できるように、今後もDXによる業務の効率化とサービスの高度化を推し進めていきたいです。

※この記事は2023年8月時点の内容です。

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