お客様とアルテリアを“つなげる”縁の下の力持ち
アルテリア・ネットワークス(以下アルテリア)が手がける、法人向けインターネットサービスの数々。これらがどのように生まれ、ユーザーの元に届けられているのかを探るシリーズの後編です。前編の企画・営業に続き、後編では運用(デリバリー)と保守の各部門に携わる社員にインタビュー。お客様と直接かかわることもあるポジションでの、日ごろの心がけや仕事への思いを尋ねました。
協力会社やお客様の行動を想像しながら計画を立てる
――木下さんのいらっしゃる“デリバリー”とは、どのような部門なのでしょう。
木下さん:お客様が弊社と契約を結んだら、営業部門や代理店からバトンタッチ。デリバリー部門では、開通に向けての準備からお客様への引き渡しまでを担います。
具体的にはサービスを導入するお客様宅内に「メディアコンバーター」と呼ばれる機械を設置するのに、近隣の基地局から会社まで光ファイバーを通す必要があります。そこで工事に向けて事前に現地調査に入り、建物のつくりや基地局までの配線状況などを念入りに調べます。多くのビルには共用部分に通信ケーブル用の経路が設けられていますが、年季の入ったビルなどの場合は、そういった配管が無い場合や配管内に新しい回線を通すことができないこともあり工事が複雑になることもあります。お客様の会社のほか、ビルの管理会社やオーナー、時には周囲のテナントからも許諾をいただくことも重要な仕事です。
その後実際に工事を行うグループ会社のアルテリア・エンジニアリング株式会社や協力会社に、具体的な工事内容や必要な準備などを共有し調整を図っていきます。また工事と並行してIPアドレスの発行や、料金引き落としの手続きも手配しなければなりません。部門は4つのチームに分かれ、常に連携を図りながら準備を進めます。
デリバリー部門で対応する案件は、新規の申し込みに加え、コース変更やオフィス移転に伴う工事もあるので、かなり多くの案件を対応しています。
――社内外を問わず、関係者との調整が大事になりそうですね。
木下さん:そうですね。ミスやトラブルなく、納期に間に合うように進めるには、それぞれの状況を明らかにしておくことが重要だと思います。
特に協力会社には、気持ちよく仕事に臨んでもらえるように細心の注意を払います。たとえば作業員が現場に出向くにあたり、高速代やガソリン代、駐車料金などの経費がかかります。移動が負担にならないように、近隣エリアの工事は日にちをまとめたり、テナントの駐車場をあらかじめ手配しておいたりと、作業員の実際の動きを想定しながら計画しています。また1日のスケジュールも密になり過ぎないように、余裕を持って組むことも大事です。時間に追われて焦ってしまうと、思わぬミスやトラブルの原因になりますから。
日ごろから誠実な対応を心がけ、良好な関係を築いておくことで、急な対応が必要なときなど、困ったときにも力になってくれます。
順を追ってヒアリングし不具合の生じている箇所を見出す
――櫻井さんは、カスタマーサービスにあたる部署にいらっしゃいますね。
櫻井さん:UCOM光に関連するサービスのコールセンターで、管理業務をしています。インターネットを使っていて、つながらない、通信速度が遅いなどの異変が見られたとき、お客様が最初に相談する窓口です。センターには専任のオペレーターが24時間365日、常にスタンバイしている状態です。
お問い合わせくださるお客様は、大手のシステム専任の方からネットワークにあまり詳しくない方まで本当にさまざま。相手が何にお困りで、どのようなことを求めているのか、お話を聞きながら丁寧に見定めていきます。
肝心なのは異常の原因がどこにあるか、目星をつけることです。たとえば先に挙げましたメディアコンバーターを境に、私たちアルテリア側の回線に問題があるのか、それともお客様側の環境に不具合があるのか。一つひとつ順を追ってヒアリングし、状況を切り分けていく。この作業によって、その後の対応が変わってきます。対処すべき問題の見当がついたところで、工事やメンテナンスの手配に移ります。
――通話だけで状況を把握するとなると、コミュニケーション力が問われそうです。
櫻井さん:対面と違って表情や身振りから察することができないので、その点の難しさはありますね。誰が対応してもお客様と信頼関係を築けるように、会話の流れや状況整理のメソッドは体系的にまとめてあります。ですからキャリアの浅いオペレーターでも、基本動作を比較的早く身につけることができているのではないでしょうか。
とはいえコールセンターに来る相談は、突発的なトラブルがほとんどですから、あらかじめ準備できることは限られています。それにお客様も焦っていて、説明がうまくできなかったり少し感情的になっていたりすることもあります。オペレーターはあくまで冷静さを保ち、事実確認に努めることが大事です。時に臨機応変さも必要で、自分の頭で考え判断する力が問われます。
直接話していなくても通じ合うデリバリーと保守の連係プレー
――とっさの対応が求められるのですね。
櫻井さん:それに同じサービスを利用する場合でも、お客様によってネットワーク環境はそれぞれ違います。ですから木下さんのいるデリバリー部門から引き継がれるお客様の宅内の施工情報は、貴重なリソースになりますね。確認してほしいところを具体的に案内できて、早期解決につながることも多いです。
木下さん:櫻井さんとの部門とは、ふだん直接話す機会はほとんどありません。だからこそ、デリバリーに関する資料のアーカイブが重要になってきます。
――仕事を続けていくうえでの、情熱の源を教えてください。
木下さん:アルテリアは日経コンピュータ 2022年9月1日号 顧客満足度調査2022-2023 ネットワークサービス部門で1位を獲得するなど、おかげさまでユーザーから一定の支持を得られています。これらは私たちの先輩にあたる前任者の頃からやってきたことを、コツコツと積み重ねてきた結果です。
櫻井さん:お客様の満足度には、カスタマーサポートも関係してくるはずです。応答率の高さなど、自分たちも貢献できているところがあると思うと誇りに感じます。
木下さん:アルテリアの強みは、イレギュラーなケースでも「できない」とあきらめてしまうのではなく、「どうしたらできるか」を考えられるところだと思うんです。広告を大量投下しなくてもお客様からの信頼を得られるはずだと、サービスには絶対の自信を持っています。目の前のお客様に誠実に向き合い、着実にファンを増やしていきたいですね。
櫻井さん:保守部門は半年前に組織構成を刷新し、お客様のお困りごとにより早く対応できる体制が整いました。営業担当やパートナー企業から「早く復旧して助かった」と、お客様の感謝の言葉を聞けることが何よりの励みです。これからもサービスの充実を図るべく、チーム全体の底上げを図っていきます。