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想像していた100倍充実 “陰キャ”なボクだからこそ気づけることがある

昨今、世間を賑わすDXの2文字。多くの会社が経営課題のひとつとして取り組んでいますが、アルテリアグループも例外ではありません。アルテリア・ネットワークス(以下アルテリア)の樫村明憲さんは、社内業務におけるDXのキーマンのひとり。得意のシステム構築力で、昨年度は入社2年目ながら、およそ1300時間に相当する業務負荷削減に寄与しました。

全社に及ぶプロジェクトに参画していることもあり、コミュ力抜群で意識高い系なキャラクターなのかと思いきや、「できるなら一歩も家から出たくない」、「学生時代のインターン、コンテスト経験はほぼ皆無」と真逆な性質が次々。「できることなら就職なんてしたくないと思っていた」という樫村さんの、活躍の裏側に迫ります。

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アルテリア・ネットワークス DX推進本部 OSS企画部 OSS推進課
樫村 明憲さん
高専の専攻科を経て、2022年アルテリア・ネットワークス入社。社内の業務改善に貢献したことが評価され、2023年には社長賞を受賞。趣味はゲーム、漫画、アニメ。好きな食べ物は、少し脂身のある肉。

1日のスケジュール

9:00 業務開始 デイリーミーティング

自宅から会社のある新橋まで片道2時間ほどかかるので、制度を最大限利用し、可能な限りは自宅で仕事をしています。今の部署を希望したのも、業務の性質上ホームオフィス(在宅勤務)を活用しやすかったのが理由のひとつです。

10:00 データ分析、プラットフォーム改善

基幹システムの一括管理プラットフォームの運営をしています。各部門からのリクエストに応じて、アラートの発報設定やデータ分析、バグの原因調査と修正、ダッシュボードの調整など、やることは毎日違います。

12:00 昼食

実家に住んでいることもあり、母の手料理を食べています。お昼休みでは、仮眠を取ることが多いですね。10分くらい目を閉じて情報をシャットアウトするだけでも脳の疲れが少し取れる気がします。

13:00 定例ミーティング/事業部との打ち合わせ、ヒアリングなど

16:00 午前中の業務の続き

18:00 業務終了

ホームオフィスは退勤直後に仮眠を取れるのがメリット。夜のゲームタイムに向け、英気を養います。

就職したら人生終わりだと思っていた

――現在の仕事について教えてください。

アルテリアにはさまざまなネットワークサービスがあります。その裏ではお客様に安全かつ快適に利用してもらうために、基幹システムや障害監視システムが動いていて、これらを社内ではOSS(Operation Support System)と呼んでいます。私の部署は、各部門のOSS運営の改善を図っていく役割を担っています。

というのも、社内には本当にたくさんのOSSがあり、部署や業務ごとに個別のシステムを使用しています。さらに同じソリューションでもチームによって使い方が違ったり、複数のシステムを並行しながら業務にあたったりなど、煩雑な使い方をしている現場がほとんどです。

そこでシステムのみならず業務プロセスそのものを見直し、部門の枠組みを超えて包括的に改善を図ろうというのがOSS企画部です。私は各部門からの相談を受けながら、主に複数システムのログデータを一括管理できるソフトウェアの管理やカスタマイズを主に担当しています。

――アルテリアに関心を持ったきっかけは?

こんなことを言うと怒られちゃうかもしれないけれど、実はあんまり就職したくなかったんですよね…。親は「仕事とはつまらないものだ」という考えだったし、通っていた高専でも「しっかりしないと社会じゃ通用しないぞ」と飽きるほど言われていて。周りに楽しく働いている大人が見当たらず、就職したらもう自由はないんだな、人生終わりだって思っていたんですよ。

だから会社に対する期待はほとんどなく、仕事を通じて自己実現したいなど思いも及ばなかったんです。待遇や勤務時間といった条件面で、就職は考えていました。

アルテリアとの出会いは、エンジニア向けの就職サイトでした。このサイトでは公開スキルテストを行っていて、企業はテストのスコアを参考に登録者にスカウトを送ることができるのですが、テストを受けて真っ先にスカウトが来たのがアルテリアだったんです。しかも「明日にでも面接しましょう!」と、フットワークも軽くて。

ほかの企業はスカウトに返信しても何日も反応がなかったり、話を聞くと条件があまりよくなかったり。でもアルテリアは採用担当者のケアが手厚く、勤務形態や福利厚生などを見ても健全な会社という印象でした。私は情報工学の専攻で、光ファイバーや伝送装置などを扱うネットワークエンジニアと聞いても正直ピンと来なかったけどまあなんとかなるかって(笑)。

でも会社はよくわかっていますよね。新入社員研修の間に自分がソフトウェアやシステム開発の方が好きというのはすぐに見破られました。配属希望は研修で一番面白いと思ったOSS企画部を志願して、晴れて叶った形です。

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特段用事がない限り、部屋に籠もっているのが好き。「新型コロナ流行期間中は、あまりにも動かなくて食事もいい加減にしていたせいか、痩せ過ぎちゃったんです。しかも健康診断で脂肪肝って言われて。慌てて筋トレを始めて、食事も気をつけるようにしています」(樫村さん)

使い勝手よくスマートに 頭の回転数が効率化のカギ

――入社2年目で、約1300時間分の業務負荷削減の立役者となりました。

煩雑なシステムのログデータを管理するソフトウェアの習得自体は、そんなに難しくなかったんです。設計や構築を理解するのに1,2カ月必要でしたが、ローコードツールなのでプログラミングに慣れていればそんなに困らない。あとは実務を通じて使い慣れていく、機能を覚えていく感じでしたね。

普段の業務では先輩や上司とペアを組んで、各部門にヒアリングしつつ設定を行い、必要な情報だけをダッシュボードに反映していきます。簡単なものならその場で解決するし、少し複雑なものや時間を要するものでも、要望が実現可能なのか打ち合わせの時点で見通しを伝えています。

――仕事をするうえで、大切にしていることは。

どうしたら効率よくできるか。基本的にはその一点に尽きますね。ここで言う効率には、2つの意味があります。ひとつは実際に現場の人たちが使いやすく、仕事の負荷を軽減するものであること。基本的に各部門から依頼を受けて動くのですが、提示された要件以上に使い勝手のいいものにしたいという思いで調整しています。余計なお世話かもしれないけれど、裏側に仕様にない機能を設定するときもあります。

もうひとつは、できるだけスマートなコードにして、コンピュータに余計な負荷をかけず、素早く処理できる状態にすることです。たとえばある処理をさせるのに普通なら10個のソースファイルが必要なことも、少し工夫するだけで、たった1個で済んでしまう場合があるんです。昔はプログラムが動けばいいやと思っていたけど、今はコードの美しさにも目が向くようになりました。

――きれいなコードを書く秘訣は?

何はともあれ睡眠かな!コードを書いていると、「こんなに長いのに、処理はこれだけ⁉」って思う場面があるんです。どうしたらもっときれいにできるか考えるのですが、頭の回転数がある一定程度以上にならないと、いくら経ってもいいコードが降りてこないんです。プログラミングってひらめきによるところもあるから、眠いときに何時間も粘ってもダメ。逆に脳がスッキリと冴えているときは、15分くらいでサクっと解決できるときもあります。

あとは根気でしょうか。自分はひとつのタスクに集中するタイプで、気を抜くと、他のタスクのことがすっぽり頭から抜けてしまうんです。新人の頃にあるタスクを1カ月ほど放置していて怒られたこともありました。今は進行表にやることをまとめて見えるようにしているから、取りこぼしはだいぶ減りましたけど(笑)。

趣味はオンラインゲーム。社会人になって嬉しかったのは、ゲーミングPCを手に入れたこと。「高性能ですけど、相場より格安で買えたのでラッキーでした。プレイ中はボイスチャットもテキストチャットもなし。周りからは、勝手に動き回るおかしなヤツと思われているかもしれません(笑)」

社内の「面倒くさい」をなくしたい

――社会人になって、実際に自由ではなくなりましたか?

いえ、そんなことはなかったです。専攻科で研究室をしていた頃よりずっと自由だし、面白いですよ。特にOSS推進課は働き方の裁量も大きくて、何より社内の業務改善をサポートすることもあって、反応がダイレクトなんですよね。周りから「ありがとう」と感謝されて、業務時間の削減などで成果も見えやすい。学生の頃に想像していた100倍は楽しいし、達成感があります。

それに思っていた以上に、いろんな仕事に携われているのもやりがいのひとつですね。部署や課が違えば業務の悩みどころはまるで違う。会社での仕事って、もっと規則的で、似たような作業を繰り返すのかと思っていたから、いい意味で想像を覆されましたね。

――今後の抱負を教えてください。

うーん、一番困る質問です(笑)。そうだなあ…、このまま楽しく仕事ができたらというのがひとつ。そのうえで、OSS推進課の一員として新しい技術を習得しながら、組織に価値を届けていければと考えています。ここ最近は課の先輩と、カスタムコマンドの作成に取り組み始めています。誰かに「やれ」と言われたわけではないのですが。自分でプログラミングしてソフトウェアの機能を拡張させることで、もっと幅広く、いろんなことができるようになるんです。

というのもめざす究極は、私たちのチームの手を離れてそれぞれの課でソフトウェアを動かせるようになることです。そのときに操作が簡便で、煩わしくない状態で手渡したい。そのカギは業務の自動化にあります。ソフトウェアを使うみなさんは日々の業務で忙しくしていますし、ソフトウェアの管理につきっきりというわけにはいかないですから。

ただ兼ね合いがなかなか難しいなと。自動化を進めるということは、みなさんの業務フローやオペレーションにも手を入れることになります。慣れたやり方を越えて、新しい手順や業務の進め方に適応していくとなると、やっぱりエネルギーが必要になるから。ここをうまく、調整できたらいいですね。

――業務の自動化に力を注ぐ理由を教えてください。

おそらく自分は、普通の人よりも面倒くささに何倍も敏感なんだと思います。コードを書いていても、ここは面倒だな、あそこもめんどくさい、自動化させたい…って、次々とアイデアが浮かんでくる感じです。プログラミングの手間はあるけれど、一度仕込んだらそれで済む話じゃないですか。

基本ワンタスクな人間なので、いくつもプロセスのある仕事は苦手なんですよ。何かソースコードの一部を更新したとして、それを上長に報告したり内容を覚えておいたりというのが、もうストレス。だったら更新と同時に報告が自動的に送られたり、更新情報が払い出されたりするような仕組みにしたほうが、抜け漏れもないし、他のやるべきことに集中できます。

山積みのタスクで意識が散漫して、本来の力が発揮できないという状況を、会社全体でも個人でも、ひとつでも多く潰していきたいんです。

※この記事は2024年11月時点の内容です。