提案を歓迎する企業文化の虜 グループの歴史を知るシステム部門の司令塔
通信サービスを通じ、ビジネスやオフィス、マンションの“つながる”を支えるアルテリアグループですが、アルテリアで働く私たち自身もサーバーやシステム、インターネットへのアクセスなど、通信を介して日ごろの業務にあたっています。
グループ内のネットワーク環境の構築や整備を手がける比嘉良斗さんは、社内の“つながる”を築くエンジニア。アルテリアがつながる社会を実現するうえで、いなくてはならない存在です。今回は比嘉さんにスポットを当て、仕事に対する考えやアルテリアで働く意義など、たっぷりお話をうかがいました。
一日のスケジュール
9:30 出社
スーパーフレックスを利用して、出社はだいたいこの時間。自宅から新橋の本社まで少し離れているので、ホームオフィス(在宅勤務制度)や練馬のサテライトオフィスで業務をすることが多いですね。まずはメールチェックで肩慣らし。
10:00 業務依頼の対応
新しく入って来る社員のアカウントの開設や、特定のサイトやサーバーへのアクセス権の許諾など、プラットフォーム経由で申請のあったネットワーク関連の業務依頼を確認し、対応します。
11:00 進行中のプロジェクト対応
常に社内のインフラにまつわるプロジェクトが、2~3件並行して進んでいます。資料作成や内容の確認、会議など、午前中にすることが多いです。
12:00 ランチタイム
外食に行くことはほとんどなく、近くのスーパーで買い出し。おむすびやサラダで、サクッと済ませることが多いですね。
14:00 課会
所属するITインフラ推進課のメンバーは7人。その週の進捗や仕事の状況、障害が起きたときの報告などを行います。週に1度の定例会は、メンバーと顔を合わせる貴重な機会です。
16:00 サーバーやネットワークのメンテナンス作業
1日のうちでいちばん集中し、エネルギーを使う仕事。実機は毎日、何かしらいじっていますね。わずかなミスがグループ全体や、サービスに影響を及ぼす可能性があるので、慎重に対処します。細切れに作業を行うと直前の作業とのつなぎでミスが生じるかもしれないので、メールや会議はブロック。しっかりと時間を確保して一気に進めます。
19:00 退社
特別な対応がなければ、だいたいこれくらいの時間に仕事を切り上げることが多いです。大きなメンテナンスが必要なときは、ノー残業デーを作業日に設定することも。社員が仕事をしていないタイミングが、メンテナンスのゴールデンタイムだったりします(笑)。
社内ネットワークの変遷を知る、生き字引的役割
――比嘉さんは、ずっと社内のネットワーク基盤を整える仕事をしているのですか。
アルテリア・ネットワークスの前身にあたるUCOMに入社して2年目から、以降17年ほど社内のネットワーク構築やサーバー管理に携わっています。
通信インフラに興味を持ったのは学生の頃。当時の専攻は化学で、卒業後はエンジニア職に就きたいと考えていたところ、ネットワーク分野は伸びしろだらけで新しいことにチャレンジできそうだと思ったのが入社のきっかけです。
最初はサービスの保守管理が仕事。24時間・365日終端装置などを監視する部門に配属になり、ネットワークの基本を叩き込まれました。会社に慣れてきた頃に、社内のネットワークを扱う部門の存在を改めて認識します。顧客向けのサービスに比べたら規模は小さいかもしれないけれど、ネットワーク全体を俯瞰できるし、同じ会社で働く人たちのバックアップを通じてサービスに貢献するのも面白そうだと、異動届を出して配置転換しました。
入社2年目には、会社の合併がありました。当時はまだ右も左もわからなかったので、先輩の指示を受けながら仕事をこなしていましたが、その後も何度か合併が続いたのは想定外で(笑)。ただ回数を重ねるたび、合併元のシステムやネットワークの仕様をよく確認し、丁寧にすり合わせていかないと、とんでもない障害やトラブルを引き起こしかねないという怖さもわかってくるので、それぞれの事業部の状況理解やリスクマネジメントがいかに重要なのかを理解した今日この頃です。
――グループ各社や各部門のネットワーク状況を、把握しておく必要があるんですね。
そうなんですよ。スキルや知識も重要なのですが、意外と「グループのネットワークの変遷をどれだけ理解しているか」というのがモノを言うというか。それなりに歴史のある会社ですし、合併前に構築したシステムや機材も一部あります。これらは今の主流ではないですから、キャリアの浅いエンジニアだと「いじったことながない」ということも、ままあるわけです。
組織の事情や統合の成り立ちをわかっていないと、腕の立つエンジニアであっても「何でこうなっているの?」とクエスチョンが立ってもおかしくない。今の課のメンバーは、新卒1年目から中途で入って来た人もいますが、私の次に経験のあるエンジニアというと、入社してまだ3、4年なんですよね。アルテリア歴は全体的に浅く、結果として自分が生き字引的な役割を引き受けているところがあります。
一方で私自身はアルテリア以外の組織に籍を置いたことがないので、よその会社から入って来た中途社員の話を聞くと、「へえー!」と驚くこともあります。特に機材のメンテナンスでは、アルテリアだと担当者や課内の判断で作業できるものも、よその会社では一つひとつ承認を得ないといけないという話を聞くと、個人を尊重し裁量のあるカルチャーなのだと感じます。申請すべきことが増えると作業もストップしてしまうので、そういう意味では迅速に対応できる環境にありますね。
提案を歓迎し、自然体でつきあえる人たちだから一緒に働ける
――仕事を進めるうえで、ふだん意識していることは。
共有と調整ですね。プロジェクトに限った話ではないですが、地方拠点のネットワーク構成のリニューアルや、サーバーや機材の老朽化への対応、自社サーバーからクラウドサーバーへの運用切り替えなど、自分たちの仕事の先には必ず“ユーザー”が存在するんですよね。
ここで言うユーザーとは、アルテリアグループで働く従業員たちのこと。プロジェクト自体がグループ全体に関わってくる、大がかりなものになることも珍しくありません。関係者によってタスクも異なりますし、お互いが何をしているのか、どうして今ここで止まっているのかといった、全体の動きが見えづらいところがあります。部だけで完結する業務はほとんどないので、進捗の共有や、現時点で生じていることなどの情報発信が重要になります。
調整を大事にしているのは、自分たちの仕事は従業員のみなさんの仕事に直接影響することも少なくないからです。たとえば社内の業務システム構築の変更にあたり、ネットワークにアクセスできない時間ができたり、システムをストップさせたりといったことが起こります。ましてや私たちはつながって当たり前のサービスを、世に向けて提供する立場です。あらかじめ現場と入念なすり合わせをしておかないと、「突然言われても困る」となりかねないので、神経を使いますね。メンテナンスの内容によっては、休日や夜間に作業することもあります。
――比嘉さんは新卒で入社して以降、ずっとアルテリアグループで働き続けています。何がそうさせるのでしょう?
やっぱり、“人”が大きいのではないでしょうか。無理に自分をつくる必要がなく自然体でいられる、居心地のいい組織だと感じます。今の仕事は他の部署やグループ会社と協力する場面が多く、長くいれば見知った顔の社員もいて横のつながりができているので、仕事を円滑に進められるんですよね。仮に今と同じポジションで別の会社に転職したとして、スキルは通用したとしても、関係づくりはゼロから再構築することになりますから。
提案を歓迎する風土も、魅力に感じています。たとえば新しいシステムを入れたいと話をして、頭ごなしに否定されることはまずないですね。どうしたら可能になるかという発想で検討する組織なので、課題に対してもアグレッシブに発想できます。あとはシンプルに、いろんなネットワークやサーバー、機材をいじれるのは、アルテリアで働くエンジニアの特権ではないでしょうか。
また新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、働き方の柔軟性が増しましたよね。スーパーフレックスやホームオフィスといった既存の制度の使いやすさに加え、サテライトオフィスの開設が相次いで、働く場と時間の自由度と働き手側の選択肢は確実に広がったと思います。
サテライトオフィスでは前例のないネットワーク構築にチャレンジ!
――サテライトオフィスの開設では、大活躍でしたね!
2022年度は、サテライトオフィスや地方拠点(事業所)の開設が多かったんです。ネットワーク面で従業員が働きやすい環境を築くのは、私たちITインフラ推進部の存在意義にも関わる大切な役割。特にサテライトオフィスの準備は、総務部と連携を図りながら中心メンバーとして動き回っていました。
拠点開発で特に気をつけたのは、納期の対応です。開設日にはどの従業員も不自由なく、ネットワークにアクセスできるような環境を整える必要がありました。特に機器の調達や回線の確保といった、自分たちではどうにもならない“モノ”の手配は、先手先手で対応していましたね。設置にまつわる工事は、オフィス全体の工程と噛み合わせないとうまくできません。総務部とは毎週のように打ち合わせをして、準備を進めていきました。
また、サテライトオフィスのネットワークは実験的というか、社内では前例のないやり方にチャレンジしました。当時トレンドになっていた「ゼロトラストネットワーク」(セキュリティ面において信用のない=Zero Trustを前提とした、ネットワーク構築の考え)を実践してみようと、パソコンを持ち込んでも専用のツールを介さないと社内のネットワークには直接つなげられない仕掛けにしたのです。
働きやすい環境づくりに貢献したことが評価され、2022年度の社長賞をいただきました。あくまでも結果に過ぎないですし、一緒にプロジェクトを進めたみなさんの協力があってうまく行ったのだと思います。
――最後に、今後の目標や抱負を教えてください!
基本は今の仕事を粛々と進めていく形になりますが、後進をどう育てていくかは関心ごとのひとつです。先ほど申し上げた、現状暗黙知として扱われている社内のネットワークの変遷や特例のようなものを、社歴やキャリアに左右されず把握できるように何をすべきか。でないと自分が仕事を抱えがちになり、同僚や後輩にうまくパスできないですし、成長の機会を奪ってしまうことになる。ここはなるべく早く手を打ちたいところです。
私自身の今後のチャレンジとなると、ネットワークの刷新ですね。古い通信機器やサーバーは時間が経つほど故障のリスクが高まりますし、セキュリティの脆弱性の問題もあります。また新しい拠点の開発などによって、ネットワーク全体の複雑さは増すばかり。古いものと新しいものの互換性を配慮した結果、制約だらけになって、柔軟性に乏しいネットワークになってしまいます。クラウドサーバーへの移管をはじめ、“自分たちで持たない”ネットワークのあり方を、複数年かけて取り組んでいきたい。まあ、言うは易く行うは難しとはこのことなのですが(笑)。