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「マンションインターネット」の形なき魅力を伝えるつなぐネット営業の揺るがぬ流儀とは

インターネット黎明期といわれる1990年代半ば、インターネットは別世界への入り口でした。電話回線を使ったダイヤルアップ接続の低速な回線で、ゆっくりと表示されるウェブサイトの画面に心躍らせて見守っていた時代も今は昔。人々にとって、今やインターネットは「暮らしの中にある、当たり前の存在」になっています。

それは同時に、インターネット接続サービスにも「当たり前」が求められているということです。顧客に選ばれるためにサービスは、そしてその営業はどうあるべきか――今回は、およそ20年にわたりマンション向けインターネット接続サービスの普及を牽引してきた、つなぐネットコミュニケーションズ東日本第一営業部部長・阿部秀史さんにお話を聞きました。

阿部秀史さん
株式会社つなぐネットコミュニケーションズ 営業本部副本部長 兼 東日本第一営業部部長。外資系の通信会社を2社経験した後、2004年につなぐネットへ入社。デベロッパーに向けたマンションインターネット接続サービスの提案営業からキャリアをスタートし、ウェブサービスを提供する事業部の部長を経て、2017年から現職。私生活では子供思いの優しいパパ。しっかり者の奥様と、小学生の息子さん、阿部さんをおやつ担当と認識しているらしい愛犬との3人+1匹暮らし。

対面だからこそ伝えられる、サービスと人の魅力がある

――まずは、阿部さんの現在のお仕事から教えてください。

阿部さん 首都圏の大手デベロッパー向けに「マンション全戸一括インターネット接続サービス」の提案営業を行う部署で、部長を務めています。部下のマネジメントを行うほか、現場に同行することも多いですね。

不動産業界は、昔も今も対面で信頼関係を築くことを重視する会社が多いので、私たちの営業スタイルも基本的に昔ながらの形。足を使ってお客様のところへ通い、顔を見てお話することを大切にしています。

――顧客のニーズに合った営業スタイルなんですね。

阿部さん そうですね。それに加えて、私たちのメイン商材であるインターネットが無形商材であり、非対面ではどうしても商品の価値を伝えにくいことも、リアルでの営業を重視する理由の一つです。形のないものの魅力を伝えるには、やはり直接お会いしてお話するのが一番ですね。
また、インターネットが日々の暮らしに溶け込む生活インフラの一つになり、インターネット接続サービスを提供するだけでは顧客の期待に応えられなくなったことも営業スタイルに影響しています。

インターネット接続サービスに+αが求められる中、私たちも、マンション暮らしの困り事を解決する多様なサービスを付加価値として提供するようになりました。会社の顔としてサービスを提案する営業が、一人の人間として信頼できる存在であることも、メイン商材の価値を高める付加価値の一つだと思っています。
「この人が言うなら、契約しようかな」と思ってもらえる人間力のようなものは、対面して初めて伝わることが多いのではないでしょうか。

――他社との差別化要因の一つに、人間力を含めた営業力があるということですね。

阿部さん 他社との差別化として、自社通信網を持っていることの他、増加したインターネット通信量に十分耐えうる各住戸まで上下最大10 Gbpsを実現するインターネット接続サービスや、万一に備えるマンション防災支援といった具体的なサービスでの付加価値向上も大切ですが、どのサービスも結局は人から購入するものです。そのため、営業が果たす役割は大きいと自負しています。

といっても、営業だけでできることはそれほど多くありません。コールセンターをはじめ関連部署との横断的な連携があってこそです。緊急性のある課題を解決するために立ち上げるタスクフォースや、定期的なミーティングなどを通じてお客様のニーズを共有し合い、ナレッジを蓄積しながらサービス品質の向上に向き合ってきました。その結果として、マンション全戸一括型インターネット接続サービス 10年連続シェアNo.1※やサービス導入戸数が累計100万戸突破という成果につながっていると考えています。

※MM総研「全戸一括型マンションISPシェア調査」(2023年3月末)に基づくもので、アルテリア・ネットワークスとの事業統合以前も含まれています。事業統合後は6年連続となります。

マネジメントスタイルの基本は「信じて、見守る」こと

――顧客に信頼される営業を育てるために、若手のマネジメントで意識していることはありますか。

阿部さん 面と向かって「ああしろ、こうしろ」とはあまりいわないようにしています。というのも、僕自身、人からあれこれいわれて動くのが好きじゃなくて(笑)。経験上、先輩や上司を見て学び、工夫や失敗を重ねてわかったことが自分の血肉になると思っているので、基本的には少し離れて見守るスタイルですね。

ただ、こうしたスタイルを貫けているのは、僕と若手の間で中堅としてがんばってくれているチームの仲間がいるからなんですよ。
彼らは人間としても、仕事仲間としても、とても信頼できる人たち。彼らの姿を見た若手が「自分もああなりたい」と思ってくれて、彼らが困ったときに頼れる存在として自分がいる。今はそういう組織の在り方で、うまくチームが成り立っています。

――互いに尊重し合える、理想的なチームですね!

阿部さん ありがとうございます。今の中堅や若手は、私たちの世代よりも真面目で謙虚なタイプが多いような気がします。かといって、仕事への情熱が薄いわけではなく、むしろ「仕事で成果を出したい」「成功したい」という思いはとても強い。だからこそ、見守る姿勢を大切にして、伸び伸びと営業してほしいと思うんです。

「つなぐネットだから選んだ」といわれるサービスを作りたい

――サービスを提案する中で感じている課題と、それに対する取り組みを教えてください。

阿部さん 顧客からの「回線の調子が悪い」という問い合わせの中には、インターネット回線以外の不具合によるトラブルも少なからず含まれています。パソコンの設定に問題があるとか、LANケーブルがジャックから抜けているといったことですね。

でも、ほとんどの人は、不具合と回線を結び付けて私たちに連絡をくださるわけです。コロナ禍で回線の遅延に問い合わせが殺到した際も、こうした回線以外のトラブルがわりと多く含まれていました。こうした本業以外の対応を求められたとき、「これは私たちに問題はない」とシャットアウトする方法もあるかもしれません。

ですが、むしろ私はお客様がつなぐネットを思い出してくださったことに感謝して、あらゆる不具合を解消してあげられるようになると良いなと思っています。どうせなら、「直してくれてありがとう」と言っていただけたほうが嬉しいし、私たちの存在価値も高まりますよね。

営業の一人ひとりが研修などでトラブルシューティングのスキルを身に付けて、ちょっとしたトラブルならなんでも相談していただける身近さも、弊社の付加価値の一つにしていきたいです。

――最後に、つなぐネットのサービスと、阿部さん自身の今後の展望を聞かせていただけますか?

阿部さん 今、つなぐネットの営業は、「インターネット接続サービスを導入してもらうこと」から「マンションでより豊かに暮らしてもらうこと」を目的とした提案にシフトしてきています。防災サービスやスマートロックなど、関連して提案できるサービスの種類も増えました。

いずれは、こうした個々のサービスがすべて一つのオンラインサービスに集約されて利便性が向上したり、より機能が高まったりしていくでしょう。インターネット接続サービスとして一括りにされないように、「つなぐネットだから選んだ」と言ってもらえるようなサービスを生み出していきたいですね。

私個人としては、これまでもこれからも、部下と仕事、そして顧客と真摯に向き合うことに尽きます。いずれ会社を去る日が来たとき、一人でも多くの人に「阿部さんと一緒に仕事ができて、楽しかった」と言ってもらえるよう、後悔のない仕事人生を送りたいですね。

※この記事は2023年12月時点の内容です。