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バイアスフリーな期待に応える気鋭のマルチリンガル

グローバル営業部のバンダリビシュヌさんは、ネパール出身。世界の名だたる企業を相手に4カ国語を操り、国内外でのネットワークソリューションを提案しています。外資系を転々と渡り歩いてきた華麗なるキャリアを連想するかもしれませんが、意外なことに社会人歴はアルテリアグループひと筋。始まりは1枚の契約書を翻訳することでした。

となると、「Youは何しに…?」と某人気テレビ番組さながら、本人に聞きたくなってしまうのが日本人の性。バンダリさんに来日のきっかけや、現在の仕事のこと、アルテリアで働き続ける理由などをたずねました。

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アルテリア・ネットワークス 法人事業本部 第一営業本部 グローバル営業部 部長補佐
バンダリビシュヌさん
2009年UCOM(現 アルテリア・ネットワークス)に入社。サービスの加入申し込み受付から請求までの業務を一手に担うオペレーション部門へ配属され、営業支援の経験を経て、2014年より営業部に異動。国内に限らず、グローバル企業に対して積極的に、ネットワークソリューションの提案を行う。母国語のネパール語のほか、ヒンディー語、日本語、英語のマルチリンガル。2023年度には社長賞を受賞。趣味は映画鑑賞、スポーツ観戦、音楽鑑賞、人間観察。「週末の朝はランニングからスタート。会社のランニング部にも入っていますが、しばらくご無沙汰」(バンダリさん)

1日のスケジュール

10:00 出勤・メールチェック

普段は9時から業務を始めますが、子どもを保育園へ送りだす日は1時間遅れの始業。スーパーフレックスタイムはありがたい制度ですね。海外のお客様とオンライン会議のときは、海外のタイムスケジュールに合わせて7時からスタートする日もあります。

12:00 ランチ

ホームオフィス(在宅勤務)の日は、キッチンに立つことも。簡単なものばかりですが、いい気分転換に。

13:00 社内のミーティング/部のメンバーからの相談

部長補佐に就いて以降、同僚や後輩から声をかけられる場面が増えました。状況を把握するうえでも傾聴は必須。相手に話してもらうことで、部全体の動きをつかむことができます。

15:00 国内のお客様からのお問い合わせ対応

17:00 海外のお客様とのミーティング

朝は北米エリアのお客様との商談に対し、夕方はヨーロッパのお客様との商談がメイン。地域が変われば、会議の時間帯も変わります。

18:30 退社

ネパール人にとって、家族は人生で欠かせない大切なもの。オフタイムはできるだけ家族と一緒に過ごします。

日本の学生とまるで同じ 就活を経て新卒入社

――バンダリさんはネパールのご出身だそうですね。

ポカラという、首都のカトマンズから200km西に離れた観光都市で生まれ育ちました。ヒマラヤ山脈を臨み、湖畔の町として知られ、日本で言う山梨のような感じかな。リゾート地としても人気があります。

私と日本の最初の接点も、やはり観光でした。叔父が外国人向けの旅行会社をやっていて、十代になると仕事を手伝っていました。日本から来る方も多く、あるとき現地ガイドが体調不良でピンチヒッターを任されたことがありました。自分なりに頑張ったんだけど、英語交じりの片言の日本語では全然通じない(笑)。遠くからはるばる来てくれたのに、いい体験を提供できなかったのが悔しくて。叔父を説得し、夜間の日本語学校に通い始めました。

それからもっと日本語を学ぼうと、19歳で来日します。語学学校で出会った恩師は、人生を変えたと言っても過言ではない。先生が「君はもっとできる」と、漢字や熟語をたくさん教えてくれたんです。勉強は好きだったけど、励ましてくれたおかげで余計に日本語の習得に夢中になりました。テレビ、町の看板、スーパーの値札等は生きた教材で、特に吉本芸人にはかなりお世話になりましたね(笑)。

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日本には15万人以上のネパール人が滞在。コリアンタウンとして知られる新大久保駅にはネパール料理店も数多く並び、さながらリトル・カトマンズの趣を呈する。月に一度のネパールコミュニティでは、クリーン活動も。「近所のおばあちゃんが全員分の缶コーヒーをごちそうしてくれたときは、嬉しかったですね」(バンダリさん)

――それからずっと日本で暮らしているのですか。

そうですね。日本の大学を出て、卒業と同時にアルテリアの前身にあたるUCOMに入社しました。特に外国人採用というわけでもなく、本当に日本人の学生と同じ(笑)。決め手は業界や仕事云々というより、当時の社長の人柄に惹かれたからです。とにかくこの方と一緒に働きたいと思ったのです。

入社してからも、社長の働く人を思う姿勢は一貫していましたね。普段から執務フロアを回ったり、時間を見つけては事業部の定例会にも出席したり。新人の僕たちにも気さくに声をかけてくれるし、いい意味で社長然としていなくて親しみが感じられました。

そして会社自体も、私を“外国人”という括りで特別視することはありませんでした。仕事で初めて英語を使ったのは、営業支援の部署にいたときでしたね。外国人が多く暮らす都内某所マンションに当社のインターネットサービスが採用されたため、外国人の管理者から契約書類がFAXで送られてくるのだけど、日本語しか対応していないフォーマットだから不備だらけなんですよ(笑)。急いで翻訳して英語版を作成しましたね。意外なところからのスタートでした。

バイアスなく仕事ぶりを見てチャレンジさせてもらえる環境

――グローバル営業部では、どのようなお仕事をしているのですか。

日本に通信拠点を設けたい企業への営業活動ですね。専用線やダークファイバーなどの光ファイバー網、クローズドIPネットワークの開通を支援します。

海外のお客様は、たとえば日本にデータセンターをつくりたいと考えても、日本の地理やネットワーク事情に明るいわけではありません。仮に情報を入手できても、どう解釈すればいいかわからないのです。その点を踏まえたうえでの助言や提案が、大事になってきます。

また並行して、国内の案件にも携わっています。最近では、東京港の地中に光ファイバーケーブルを敷設し、芝浦・品川エリアと豊洲・有明エリア間を直線状につなげる日本で初めてのプロジェクトを担当しました。3年間にわたる関係者との調整や交渉の末、ようやく成約に至りました。私自身にとっても、大きなターニングポイントだったと思います。

また、2023年10月より、部長補佐として部署をサポートしています。課長と部長の仲立ち役となり、メンバーが本来注力すべきところに打ち込める環境を整えるのも大切な仕事です。マネジメントの観点で、明らかに視座が高くなったと感じています。

――まさに部署のキーマンですね!

直属の上司である部長には、本当に感謝しています。彼はバイアスにとらわれない人で、部下の能力や適性をフラットに判断して新たな役割をアサインしてくれます。だから私も自分の持ち味を精いっぱい発揮しようとするし、期待に応えようと思いきってチャレンジできます。

サッカー界では何人もの日本人選手が海外で活躍していますし、大谷翔平選手などは今やメジャーリーグを代表するスタープレイヤーです。でもどのチームも“日本人だから”と、選手を登用しているわけではないはずです。例えが大きくなってしまいましたが、アルテリアも同じなんだと思います。UCOM時代から数えて15年ほどになりますが、特別視をしない環境が自分には合っているんです。

でも自分のルーツはネパールなのだな、と思う場面も。たとえば海外出張のとき、ネパールのパスポートは日本のものと条件が異なるため、事前に大使館に出向いてビザを取得する必要があります。日本人の同僚がちょっとうらやましいと感じる瞬間ですね(笑)。

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「新人の頃に社会人としての作法や仕事の向き合い方を教えていただいた村田さん(左側)と、現在直属の上司として成長を支えていただいている大久保さん(右側)との奇跡のスリーショットが叶いました。私にとってふたりは尊敬する大切な方々です。」(バンダリさん)

――海外出張もあるのですね。

年に数回、業界の世界的なカンファレンスに足を運んでいます。学識者や業界のトップリーダーが、最新の技術や今後のネットワークのあり方について知見を述べる場で、最新のトピックを吸収して社内に共有しています。

それ以上に営業として求められるのが、各国の事業者とのネットワーキングですね。カンファレンスには、世界的企業の責任者クラスが一斉に集まります。普段はオンラインで商談に臨むクライアントにも、直接コンタクトを図れるチャンスです。アポイントを連日4~5件入れて、すり合わせを図ります。とっさの対応に迫られることも多く緊張しますが、大きく進展するので気合いが入ります。

彼らと接していて興味深いのは、“バンダリビシュヌ”という人物とビジネスを築こうとしていることです。もちろん彼らが求めているのは、アルテリアの質の高いサービスと技術力です。そのうえで、私自身に興味を持ってくれる。その証拠に、過去のカンファレンスで知り合った方が転職した後に、日本でのネットワーク構築について相談したいと声をかけてくれるのです。

カンファレンス期間中は普段とはまた違う環境で、毎日がすごく刺激的。たった1週間でも成長を実感できます。これからは若手にもぜひ、チャレンジしてほしいと思いますね。

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ITW2024
<2024年5月 参加したInternational Telecoms Week 2024での一枚>
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シンガポール出張中、現地のお客様に向けたプレゼンの様子
モニターに表示しているSubmarine cable mapの提供元:TeleGeography(submarinecablemap.com)

外資企業との取引で実感するアルテリアのポテンシャル

――ネパール、日本と、2つの国にゆかりを持つことは、仕事にどのような影響をもたらしていますか。

ネパールの国民性って、日本人と共通するところがあるんですよね。基本的に穏やかで粘り強く、勤勉で、年配者を敬い、謙虚さも備わっている。仏教を開祖したブッダは、インドとネパールの国境付近に生まれたとされます。ネパールはヒンドゥー教の国として知られていますが、仏教の考えが根づく日本とは、価値観が近いのかもしれません。

特に「おもてなし」を大切にするのは、ネパールも同じですね。困っている人を無下にできない、どうにか助けになりたいと考えるところがあります。私の実家は山のふもとにあり、夕方やってくる登山客に夕飯をふるまうのは当たり前の光景でした。自分の人生に何かしらの形で交わりを持つ相手には、礼を尽くすところがあるのです。

逆に日本の会社で働くようになって身についたのは、プロフェッショナリズムかな。神は細部に宿ることを、日本の人たちは無自覚的に理解しているような気がします。ネパール人は勤勉だけど、もっとおおらか。どうしたらストレスフリーで働けるかを考えます。私は在日ネパール人のコミュニティでも活動していますが、会社にいるときと同じ感覚で仕事をお願いしたら、相手は早々に匙を投げてしまうでしょう(笑)。

でも実はネパール流の発想が、イノベーションを生むこともあります。たとえば世界中で使われているCRM(Customer Relationship Management)クラウドのある機能は、ネパール人が開発したと言われています。そうは言いつつ、ネパールも都市部を中心に近代化が進み、自分が過ごしていた当時とはかなり変わって来てはいますが。

気づけば人生の半分以上を日本で過ごしていますから、私の感覚も日本人にかなり近づいていますよね。だって昔は終業時間にきっぱり帰っていたけれど、今は一応周りの様子も気になります (笑)。またアルテリアでも、国外にルーツを持つ人が少しずつ増えてきています。来日歴が浅い人たちに対し、日本人の考えや大切にする価値観を伝えるのも、もしかしたら私の役目なのかもしれませんね。

――最後に今後の抱負を教えてください。

海外のクライアントと話していると、市場への強いポテンシャルを感じます。アルテリアの柔軟性の高さこそ、日本にまだ進出していない外資系企業が求めているものだからです。機会創出に向けて、今もあらゆるチャレンジをし続けていますが、今後はグローバルに特化したマーケティング機能の拡大など包括的な取り組みを行っていく時期に来ていると考えています。外資に向けて勝負できるだけの資源も提案力も十分持ち合わせているので、組織力を活かした取り組みを推進していきたいです!

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“Life is 10 percent what you make it and 90 percent how you make it.” (人生は何をつくるかよりも、どうつくるか)が座右の銘。「仕事を通じて世の中をよくしたい、という思いは常にありますね。働くって、はた(傍=自分の周り)をらく(楽)にすることだと思うんです」(バンダリさん)

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※この記事は2024年10月時点の内容です。