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マンションISPからマンションサービスプロバイダーへ!包括的なサービス提供で、持続的な成長を目指す

2022年の代表取締役社長就任に先立ち、前年の2021年、一人の営業としてつなぐネットコミュニケーションズの最前線に立つ森谷和德現社長(当時、営業統括役員)の姿がありました。

コロナ禍で急激にインターネットの利用量が増え、快適性が低下したことに対して、顧客からの問い合わせが殺到。疲弊する営業社員スタッフを前に、森谷社長は自分にできることを一心に考えたといいます。
そして選んだのは、「雑念を捨て、一心不乱に働く」こと。それは、森谷社長の座右の銘であり、これまでの経験値の中で最も有効なピンチの乗り越え方でした。

当時の混乱からいち早く抜け出した今、「マンションISP(インターネットサービスプロバイダー)からマンションサービスプロバイダーへ」を合言葉に新たな挑戦を続ける森谷社長に話を聞きました。

代表取締役社長 森谷和德さん
1990年丸紅株式会社入社。住宅開発第一部長、不動産関連事業部長、首都圏マンション事業室長など、不動産関連の事業を長年担当。2021年に株式会社つなぐネットコミュニケーションズ常務執行役員、営業統括代行に就任し、2022年4月より現職。趣味は、編集したプレイリストを聴きながらのジョギング。(健康的ですね、森谷社長!)

目の前のミッションを黙々とこなせば、伝わるものがある

――社長就任前には、現場で自らが営業していました。

当社の営業先は、新築の分譲マンションを開発するデベロッパーや、賃貸マンションを管理する管理会社などです。私は長く丸紅で不動産部門を歩んできましたから、業界に親和性があったんですよ。当時はコロナ禍で生活環境が激変し、ネットワーク環境がひっ迫して、サービスの基盤となる品質が問われていた時期。疲れきった営業社員を見ながら、自分にできることは何かと考えました。

といっても、これまでさまざまな場所で働いてきた経験からいうと、どこに行っても結局やることはひとつなんです。それは、目の前にある自分のミッションに黙々と、一心不乱に取り組むこと。そうすれば、必ず伝わる人には伝わるものだと、身をもって体験してきたからです。

では、当社における私のミッションは何かというと、自分の強みを活かして結果を出すということ。今の時代、トップが会社にいて報告を受けるだけのレトロなスタイルは通用しません。組織力を高めるには、トップみずからが背中を見せるべきです。
ですから、当時も今も、人脈を活かしたトップ営業で結果を出すこと。それによって、社員みんなの士気を高めるべく、自ら営業をしています。

――その後、社員のがんばりが実を結んで、回線の状況は回復・向上したと聞いています。

インターネット回線は目に見えないけど、我々の動きは目に見えます。問題が起きたとき、担当者はすぐ現場へ行ってお客様の話を聞く。それだけで、顧客の信頼性は高まり、ピンチをチャンスに変えられる可能性があります。

足を使って現場へ行く。現場に行ったら汗をかき、頭を使う。そして、愛嬌よくコミュニケーションをとって、真摯に対応する。地道だけど、そういう姿勢が本当に大事なんです。
私のやり方が影響したかどうかはわかりませんが、コロナ禍の大変な状況の中、みんな本当によくがんばってくれました。当時の混乱から早く抜け出せたのは、社員一人ひとりの努力の賜物です。

マンションISPの商圏をすべてカバーし、9年連続シェアNo.1を実現

――マンション全戸一括型のインターネット接続サービスにおいて、9年連続シェアNo.1※を獲得しています。強みは何だと考えていますか?

※MM総研「全戸一括型マンションISPシェア調査(2022年3月末)」に基づくもので、アルテリア・ネットワークスとの事業統合以前も含まれています。事業統合後は5年連続となります。

当社は、分譲マンションを建築する段階でインターネット接続サービスを導入する「マンション全戸一括型」といわれるモデルをいち早く導入しました。長い歴史の中で培ったノウハウは、当社の最大のアドバンテージです。

また、その歴史の中で、大手デベロッパーによる高級分譲マンションを主戦場にしていたつなぐネットコミュニケーションズと、ワンルーム投資マンションや学生さんの賃貸マンションなどもレパートリーとして持っていたアルテリア・ネットワークスのマンションインターネット事業を統合させたことも大きかったですね。

――商圏が広がったわけですね。

マンションISPの商圏には、大きく分けて「新築の分譲」「中古の分譲」「新築の賃貸」「中古の賃貸」の4つがあります。同じISP事業者でも、新築分譲は強いけど賃貸はやっていないとか、賃貸専門で分譲は専門外とか、得意分野があるのが一般的なんですよ。この統合で、当社には死角がなくなりました。

――住まいに対する意識が多様化している今、総合力であらゆるニーズに対応できるのは大きな強みですね。

昔は「新築であること」「一戸建てであること」に対するこだわりと憧れがものすごく強かったと思います。
一生懸命働いて戸建てを買うことがステータスのような時代がありました。駅から離れた閑静な場所で、南向きで、子供たちが走り回れる庭があって…といった、「理想の住宅像」を描いている人も多かったでしょう。

でも、今現場を回っていると、住宅に対するニーズの変化を実感しますね。「住みたいエリア優先で、中古マンションで構わない」と「ずっと賃貸で構わない」といったように、自分たちのライフスタイルを軸にする住宅選びが今の主流です。
ライフスタイルの変化で住宅に対するニーズがさらに多様化すれば、分譲も賃貸も、新築も中古も同じ品質でサービスを提供できる当社の強みが、よりいっそう生きてくるだろうと思います。

マンションに対する期待に応える、多様なサービス展開が成長のカギ

――ISP市場は競争が激化していますが、今後の展開はどのように考えていますか?

マンション全戸一括型のインターネットサービスについては、営業面、技術面、さらにはアフターフォローを含めて完成形に近いと考えています。ただ、企業は現状に満足せず、常に成長していかなくてはなりません。企業には、成長し続けることによって社会経済を循環させ、日本社会に貢献していく使命があるからです。
ところが、当社事業には、成長を阻害する可能性が高い3つの要素があります。

1つ目は、人口減少、少子高齢化。人口が減れば必然的にマンションのボリュームは減っていきます。
2つ目は、コモディティ化で価格競争になることです。通信の価格に値下げ圧力がかかっていることもあり、同じものならできるだけ安く買いたいという心理が働くと、品質での勝負が難しくなります。
3つ目は、顧客ニーズの多様化。電力とセットで通信費を割り引くといったサービスが登場し、当社も「ほかにどんなサービスを持っているの?」と聞かれることが増えました。

これらの問題に対処するには、新たな柱となるサービスを確立する必要があります。そこで、この4月から、「マンションISPからマンションサービスプロバイダーへ」を合言葉に、既存サービスの強化と新規サービスの創出に取り組み始めました。

――具体的な取り組みを教えてください。

マンションにインターネットを提供するISPから、マンションにお住まいの方に役立つサービスを包括的に提供する「マンションサービスプロバイダー」になろうということです。
手始めに既存のサービスのうち、防災備蓄品のマンション向け販売を強化しました。当社のSDGs活動の一環として、災害の激甚化で防災意識が高まっている住民の皆さんに安心・安全を提供していきたいと考えています。

同時に、「つなぐチャレンジ」と称して、社員からの新規事業アイディアを募集し始めました。実現可能性はさておき、実に多彩なアイディアが生まれていて、そのこと自体がすばらしいと感じますね。

――つい「目の前の受注」「今月の数字」に目が行きがちですが、企業が成長し続ける上で、大局的な未来を考えていくことはとても重要ですね。

社会が多様化する中、マンションを選ぶ人の期待はかつてないほど大きく膨らんでいます。暮らしをアップグレードするマンションサービスプロバイダーとしての取り組みは、マンションの魅力を高め、結果的にこれまでのインターネット事業にもプラスに働くことになるでしょう。

マンションISPからマンションサービスプロバイダーへのステップアップは、つなぐネットコミュニケーションズの未来を創る挑戦です。どんなアイディアが花開いていくか、私たちの今後にぜひご期待ください。

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