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eスポーツが作る、ニューノーマル時代の組織の形とは?GameWith ARTERIAが目指す未来

2022年2月、アルテリア・ネットワークス株式会社は、国内最大級のゲーム情報メディアを運営する株式会社GameWithとの合弁でGameWith ARTERIA株式会社を設立。超高速・低遅延な通信サービスを提供するアルテリア・ネットワークスと、さまざまなeスポーツ事業を展開するGameWithの両社の強みを活かし、オンラインゲーマー向けの通信サービスの提供や、社内交流を目的としたeスポーツイベントの開催等を行っています。

今回話を聞いたのは、同社の設立に参画した取締役常務執行役員の青沼寛さんと、新卒3年目にして、マーケティングチームに抜擢された吉村一徳さん。社会人としての経験も実績も、立場も違う2人なのに、そこに流れる空気はとても自然で、隔たりを感じさせません。
互いの特性と得意分野を認め合い、リスペクトし合うことで生まれる同志のような関係は、新時代にイノベーションを生み出すために欠かせない「もの言える組織」の理想的な姿なのではないでしょうか。

eスポーツをきっかけに、相互に高め合える企業体を作りたい。GameWith ARTERIAが描く世界観を体現するお2人に、提供するサービスのことや、eスポーツで実現できる未来のことを聞きました。

取締役常務執行役員 青沼 寛さん
ITエンジニアを経て前身の丸紅アクセスソリューションズ株式会社に入社し、営業へ転身。合併後のアルテリア・ネットワークスでも法人営業を9年経験した後、「0→1」を生み出す新規事業開発へ。組織としての未来を探る中でeスポーツに出合い、GameWith ARTERIA設立の起案から参画した。寝る直前に食べるアイスクリームがストレス解消法。(ほどほどにしてくださいね 青沼さん!)
吉村一徳さん
2020年4月に新卒でアルテリア・ネットワークスに入社。2年間、バックボーンネットワークの運用保守に携わる。幅広い知見を身につけて引き出しを増やしたいと社内公募に手を挙げ、高い倍率を突破してGameWithARTERIAへ出向。趣味はゲーム・旅行・食べ歩き。(多趣味で羨ましいです 吉村さん!)

ゲームがヒエラルキーを超えた関係構築の手助けに

――お2人は、今年のGameWith ARTERIA設立と同時に出会われたと聞きました。立場の差を感じさせない、フラットな雰囲気ですね。

青沼さん:仕事以外に、ゲームで時間を共有しているからかもしれません。ポジションや年齢が違うと、普通は会社で会っても話しかけづらいもの。仕事で意見を求められても、経験の差に臆してしまって、本音は言いにくいですよね。

ですが、ゲームに関してはデジタルネイティブな彼らのほうがよく知っているし、レベルも高い。だから、私が教えてもらうシーンのほうが圧倒的に多いんです。「知らないんですか!?」「結構ヘタですね」なんて言われながら遊んでいるあいだは、上司でも部下でもなく、一人の人間同士の付き合いが成立します。すると、少しずつビジネスシーンの関係性も変わってくる気がしています。

吉村さん:部下という立場でも、教える立場を経験したり、アドバイスを受け入れてもらえたりすると、仕事でも躊躇せず意見が言えるようになると思います。もちろん、相応の礼節はわきまえた上でのことですが、上司とのコミュニケーションで感じていた壁がなくなりますね。

青沼さん:昔の組織では、「上司は部下を指導するもの、部下は上司に従うもの」という考え方が一般的でした。しかし、経営環境が激しく変化する今、上に立つ人の強烈なリーダーシップだけで成果を出し続けるのは容易ではありません。
部下の自律性を高め、忖度なく活発に意見を出せるボトムアップ型の組織を作るために、新しい世代の得意分野に私たちが入っていくことは、とても有意義だと実感しています。

――GameWith ARTERIAが企業に提供するイベントとしてのeスポーツにも、同じ効果がありそうですね。

吉村さん:ゲームというと、プレイヤー一人の自己満足的な世界を思い浮かべるかもしれませんが、eスポーツはチームで戦略を立て、参加者一人ひとりが役割をまっとうすることで成立するものです。
なので、準備を通してお互いの性格や志向性をよく知ることができるし、仕事では見えない人となりが見えてくることも多い。世代や立場を超えて教え合い、助け合うことで、フラットな組織に変化していくことも期待できます。

青沼さん:eスポーツで求められるのは実際の運動神経とは別の能力なので、普段おとなしくて目立たない人がすごく上手だったり、またその逆もあったりと、意外な発見があるのもおもしろいところですね。

eスポーツは、新たな社内コミュニケーションツール

――具体的には、どのようなシーンでeスポーツが使えるのでしょう?

青沼さん:近年の転職市場は、売り手市場が続いています。企業の採用が活発化する一方で離職する人も増加し、「気づいたら、社内が知らない人だらけだった」といった話をよく聞くようになりました。
加えてコロナ禍もあり、社員同士の顔を合わせる機会が減ったことで、コミュニケーション不足が深刻化している会社は多いでしょう。

そこで、社員がどこにいてもつながれて、コスパ良くエンゲージメントを高められる手法として、eスポーツをご提案しています。例えば、内定者懇親会やチームビルディング研修、さらにはこれまでやってきた社内運動会、周年イベントなどがeスポーツに置き換えられます。

――上の世代の中には、「ゲーム」そのものに抵抗感がある人も多い気がします。社内のギャップはどうすれば解消できますか?

青沼さん:私もそうですが、子供の頃、多くても2人でコントローラーを握って画面と向き合うゲームを経験してきた世代の方は、「ゲームでコミュニケーション」のイメージがわきにくいのかもしれません。攻撃的になる、排他的になるといった印象も強いですよね。

ですが、現代のゲームはオンライン化していて、あらゆる国や地域から複数人で1つのゲームをプレイすることができます。チャットやボイスチャットで会話をしながらプレイするので、相手の立場に配慮したり、気持ちを慮ったりといった能力が欠かせません。
勝利に向けて何度もプレイする中で、自然とPDCAを回す力も身につきます。

吉村さん:これから社会に出てくるのは、小学生の頃からプログラミングの授業などでゲームに触れてきた世代。彼らにとって、もはやゲームは特別な遊びではありません。新しいことを学ぶツールであり、コミュニケーションの手段のひとつでもあります。最近では、海外プレイヤーから英語をはじめとした外国語を学ぶ目的でゲームをする学生も多いようですよ。

着実に裾野を広げて、eスポーツを文化のひとつに

――eスポーツが初めてでも、プレイを楽しめるのでしょうか?また、プレイの良し悪しなどはわかるものでしょうか?

吉村さん:ゲーマー向けの大会と違い、社内向けだと、担当者や参加者の方が初めてというケースが多いです。そのためゲームの説明はもちろんですが、イベントを実施する上でのマニュアルもご提供させていただいているので、気軽に楽しんでいただけると思います。

また、当社の場合、対戦中にリアルタイムで実況をつけるので、「今のプレイの何がすごいのか」が初めての人でも理解しやすいと思います。先日開催したイベントでは、eスポーツのプロが実況を担当し、優勝したチームのプレイを詳しく解説。試合後にも「プロ並みにうまいですね!」といった感想も飛び出し、盛り上がりを見せました。

青沼さん:実況解説では、技術的な部分はもちろんですが、事前に参加者の皆さんにコンセンサスをとった上で、「最近、超大型受注をした◯◯さんです!」といったパーソナルな情報を入れ込むことを大切にしています。そういったコメントを挟むと、場がとても盛り上がるし、相互理解もより深まるきっかけになるんです。ゲームをいっしょにプレイするだけでなく、ゲームを通じて“人”を知ることができる場を作るようにしています。

また、オンライン配信も行っているので、その動画をきっかけに後日大会に参加していなかった他部署の人が出社日に参加者に声をかけるなど、リアルな場でのコミュニケーションの活性化にもつながっていると好評いただいております。

――ありがとうございました。最後に、GameWith ARTERIAが描く未来について聞かせてください。

吉村さん:当社でのイベントをきっかけに社内でeスポーツクラブを結成し企業対抗戦などのイベントに参加したり、自社商品のブランディグや事業化を検討したり、家族の交流の中で取り入れたり…今は主に、若年層中心と思われているeスポーツを全世代の仕事や生活の中の一部に広げていってもらえると嬉しいですね。この機運を、クリエイターをはじめとするeスポーツに関わる人みんなで共有して、着実に裾野を広げていきたいと考えています。

青沼さん:国内eスポーツの市場規模は、年平均20%を超える成長率で拡大が見込まれています。近年では、秋田県で日本初となるeスポーツのシニアプロチームが誕生し、話題になりました。今後は老後のセカンドキャリアや趣味として、eスポーツを始める人が増えていくのではないでしょうか。

eスポーツの事業を手掛ける企業は増えてきましたが、その多くはeスポーツのチームやイベント制作会社から生まれており、私たちのように商社系通信事業者を一つの源流とする企業体はほぼありません。ビジネス目線を持つ私たちだからこそできるサービスで、eスポーツを文化として根付かせるための一助になりたいですね。

複数視点での配信にも対応できるオペレーション室、3色切替が可能なLED照明でゲームを更に盛り上げる

社内eスポーツパッケージの詳細はこちら:
https://www.gamewith-arteria.com/service/event/

GameWith ARTERIAコーポレートサイト:
https://www.gamewith-arteria.com/

※この記事は2022年12月現在の内容です。